ふらふらする。　暑い11月のせいだ。

こう暑いと、のどがかわく。

こころなしか、ご飯がまずい。食べる気が起きないのだ。

いつもであれば、ときめくような香りのするトッピングが

沢山のっかっているごはん。

こんな気分の時に鼻先に寄せられても、無理だ。

ゴシュジンの二人が、眉間にしわを寄せている。

しわを寄せたいのは私の方である。

何かが変なのだ。

おなかの奥の方が変な事になっているのか？

二人が悲しまないよう、一口だけは食べてあげよう。

散歩だって、本当は行きたくないが、人間の健康のために

軽く歩いてやることにする。　私は本当に出来たカイイヌだ。

途中のおしっこも、なんだか変なにおいがするようだ。

私のおしっこの気がしない。

イヌトモ連中も、普段と違う私の様子を察したのか、頻繁に

おしりの匂いをチェックするようになった。

我々は、おしりや尿の匂いで健康のチェックができるようになっている。

辛い散歩がようやく終わったが、ご飯は食べる気がしない。

そのあと、ゴシュジンを相手に遊んであげるのだが

それもできないほど疲れている。

午後からは、ようやく少し食べられたご飯が、逆流してきて、吐いてしまった。

めまいがして、立つことが出来ないので、うずくまって寝ていると、

今にも泣きそうな顔のカーチョンと、何も考えずにぼーっとした顔の

トーチョンがのぞき込んできた。

私はその後、ふわっとした感覚を覚え、トーチョンに抱っこされながら

車にのりこんだのである。

（4回へ続く）