社長コラム
特訓 〜1回裏〜
2024年12月 1日掲載
暑かった夏も終わりを迎えて10月。
世間ではまだ猛暑だと言われているが私的には
すでに朝夕は寒気を感じる神無月の或る日。
私はゴシュジンと共に家の近くの道の上に在った。
その晩は温度、湿度、風と3拍子揃った「嫌な日」。
私は彼(シュジンの事である)が、必要以上にやる気が出てしまっている
事を感じる事ができた。
「うんざりだ、今日はトックンの日だな」
うちのシュジンは今年で52歳になる。
黄色い球を我々のように追いかけて、大きなハエタタキのような物で
打ち返すスポーツをしているのを見て、年寄りなのによくやるよ、
と思っていたのだが。
たまに盛りがついているかのように、私に運動を強要させるタイミングがあるのだ。
それは、陽気が良くて風もさわやかな春、秋の日に行われる。
「トックン」... こんな言葉が良く今も残っているものだ、と辟易する。
特に今の中年以上の人間たちの世代は自己陶酔と共に若い後輩達に
自慢するのだ。
「我々の若いころは頑張って特訓したものだ。」
それがなんの得になっているのか、誰も証明できないのである。
今の言葉で言えば「エビデンスがない」とでもいうのかもしれない。
とはいえ、手綱を持っているのはシュジンであり、強制的に
それに付き合わされるのは、めんどくさい。
こうして、若いころの私はゴシュジンに付き合わされてよく特訓を行った。
とにかく、ゴシュジンが私を引っ張って連れ歩くだけの「奇行」だ。
2時間半の時もあるので、もはや「徘徊」に近い。
今日は彼の引く手綱に力を感じる。特訓を求めているのだ。
私は彼を見てためいきをひとつつくと、肩をすくめた。
久しぶりの特訓が、今始まろうとしている。
(2回表へつづく)
12月29日(日)?1月5日(日)まで、冬季休業とさせていただきます。1月6日(月)から通常営業となります。なお、ガス臭い、ガスが出ない等の安全にかかわる緊急対応は休業中も行っております。ご迷惑おかけしますがよろしくお願いいたします。