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社長コラム

バニラの因縁3 姉の反撃

2023年4月 1日掲載

バニラの因縁。それは私が保育園児の頃にまで遡ります。 姉とのし烈な攻防は
時に私の予想を超え、大局の転換へと導くのでした...。

大好きなおやつをほぼ毎回弟に盗み食いされる姉。 
弟たる私は犯人でありながら、その姿を可哀そうであると感じていました。
事の理不尽さに怒る姉は、母への密告もしました。母の叱りを受けてもなお、
盗みをやめない私。 自分にしてみれば、大食漢である私が悪いのではなく、5歳年上
にも拘わらず、食の細い姉が気の毒なのだと思っていたのかもしれません。
そして、それ以上にお菓子の甘さと、衆人の目をかわして
食べるチャレンジの誘惑には勝てずにいたのです。

そんな事態が動いたのは、何か月か経った頃。
大好きなアイスを買ってもらった時の事です。

いつもは、姉が「イチゴ味」、私が「チョコ味」を選択するのでした。
このパターンは、私にとっては最高の組み合わせでした。
イチゴ味も、チョコ味も私の大好物。 なぜ私は2個選べないのだろうと
考えていた黄金のコンビだったのです。
(イチゴ味は、後で冷凍庫から食べれば良い。どうせ姉は一度には食べきれまい)
悪いことを平気で考える、山賊の弟は姉の発言に耳を疑います。
「私、バニラがいい。」
「!!」(バニラって、いったい何???)
ドキドキを抑えようと、次の思考へと頭を切り替えます。

(そうだ、色だ!色で判断しよう!)
そうだ、オレンジはオレンジ色、イチゴ味はイチゴ色、チョコ味はチョコ色だったでは
ないか!
姉が手に取ったバニラアイスを肩越しにのぞき込むと...。
「白だ!!!」(想像できない!)
白色の冷たいかたまりを持った姉の顔は凛として気高く、こざかしい泥棒に負けない
オーラを漂わせていたのです。
(続く)

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