社長コラム
ワンチャン
2022年5月 1日掲載
久しぶりの子供達の話です。
それは3年前の事。中学に入った双子達が不思議な呪文を唱え始めました。
「でも、それってワンチャンあんじゃね?」
言葉づかいについてはちょっとだけ気になる私の悪い癖でしょうか。
父:「ワンチャンってなんだ?」
双子A:「父ちゃん、知らないの? ワンチャンスって意味だよ」
双子B:「みんな使ってるよ」
何故か「ワンチャン」という言葉にモヤモヤを覚える父。
私達(もしくはそれより上の)世代ではワンチャンといえば巨人の王選手でしたから。
調べてみると、元々は麻雀用語だったようで、1回のチャンスで逆転できる状況の事を
指していたとの事らしいのです。
それがネット界隈で使われ始め、瞬く間に拡散していく中で、河野家にも流入したのでした。
ワンチャンス。聞こえは良いですが、どことなく他力本願ともとれる単語の持つ
霞がかったイメージは、私の中の「言葉警察」を出動させるには十分でした。
そして決定的な違和感を感じたのは、その後に続く「あんじゃね?」という砕けすぎた口語です。
「自分は責任持たないけどねっ!」という意思を砂糖でコーティングしたかのような
表現であり、言葉としてもキレイなものとは思えなかったので、二人にはあまり使わないように言ったのでした。
それから3年が経ち、「ワンチャン」は今、普通に使われる言葉になってしまいました。
言葉というのは、時代によって使われ方が変わったり意味が変わったりするのが当たり前というのはわかるのですが、いまだに私の中ではあまり良いとは思えない言葉です。
そして、3年前に「ワンチャン」を使っていた双子達は
今、我が家の「わんちゃん」の散歩や遊び相手としてこき使われております。
正しい言葉って、大切ですね(笑)。